本文へスキップ

海外旅行右往左往

さえない中年夫婦が、慣れない海外で右往左往した海外旅行記。

3.2 ローマ初日(フォロ・ロマーノ、コロッセオ周辺)

ANAの深夜便で飛んだおかげで、ローマ到着は午前中であった。初日から、ヴィットリオ・エマヌエール2世記念堂、フォロ・ロマーノ、コロッセオとローマを堪能することができた。

3.2.1 ローマ空港からホテルへ

 シェンゲン協定国であるドイツからイタリアへの乗り継ぎなので、イタリアへの入国審査は必要ない。おかげでスーツケースさえピックアップできればすぐに出ることができる。でも、イタリアへ旅行へ行っているのに、パスポートに押される入国スタンプはドイツしか残らないというのは少しさみしい気もする。
 ローマ空港からホテルへはテヴェレ・リモというところで送迎サービスを予約していた。空港からは電車が通っている。旅慣れている人なら外国でいきなり電車というのも可能だろう。だが、スーツケースをかかえて旅慣れていない家族4人が移動することを考えると、タクシーか送迎サービスの利用ということになる。3人までなら、タクシーという選択肢もあるとは思うが、4人なので荷物を考えると普通のタクシーで移動するのは難しい。ということで、送迎サービスを利用することにしていた。これで、空港からホテルまでの移動で右往左往することもなくなる。
 ベンツでホテルまで移動である。正直言って、ベンツの運転が怖かった。他の自動車への寄り方が半端なく近いのである。ひやひやしながら、ホテルまでむかう。ただ、この会社の名誉のために言っておくと、イタリアの運転はこれが普通らしい。タクシーの運転では、もっと怖い思いをした。最初に怖い思いをしたが、実は、イタリア標準からいくと、安全運転だったようだ。数少ない経験から言うと、日本の自動車の運転は安全運転なので、海外に行くと自動車の運転に関しては、何かしら怖い思いをするものである。
 自分で運転することを考えてみても、ローマでは運転できそうもない。まず信号がどこにあるのかわからない。歩行者も全く信号を守っていない。レンタカーを借りての旅行は論外のようである。

3.2.2 ホテルに荷物を置いて出かける

 宿泊ホテルは、Hotel Artemideである。

 ホテルに到着したのが10:30過ぎ。さすがに到着が早すぎて部屋にチェックインするのは無理であった。ホテルに荷物を預けて観光に出かけることにする。
 当初の予定では、バスを活用する予定であった。ところが、ホテルのカウンターで、横で話をしている旅行客がバスの相談をしていたら、バスはおすすめできない、とホテルの人が言っていたのが聞こえてきた。地下鉄駅が近いので地下鉄で行くか、歩いていくことをすすめていた。バスで行くなら、カバンなどは持たずに、身軽にして行くようにというアドバイスである。それを聞いていて、我々もバス活用案から、徒歩・地下鉄・タクシー利用案に変更した。このホテルから地下鉄の最寄りの駅まで歩5分と便利だったこともある。
 今回は、ローマの雰囲気をつかむためにも、暑さを身に染みるためにも、歩くことにした。

3.2.3 まずは腹ごしらえ

 フランクフルト→ローマ便ではヨーグルトしか出なかったため、食事は羽田→フランクフルト便で取った早朝の朝食だけである。さすがに空腹になってきたので、まずは腹ごしらえをすることにした。ヴィットリオ・エマヌエール2世記念堂へむかって歩いていく途中で何か食事できそうなところがあれば入ることにする。
 せっかくイタリアに来たのだからまずはピザだ、といういことで、CAESAR PIZZAというところへ入った。ピザが陳列ケースに並んでいて、それを指させば、そのピザを温めて出してくれるというファーストフードの店である。中は、少し席があって、エアコンはきいていない。エアコンに関していえば、こんなに暑いローマなのに、基本は外で食べるということで、その後も、エアコンのきいたところで食事をすることが少なく、あまり気にならなくなった。その洗礼の第一弾がこのピザ屋さんであった。
 ファーストフード店にもかかわらず、味はおいしかった。

CAESAR PIZZAのケースに並んだピザ
CAESAR PIZZAのケースに並んだピザ

3.2.4 ヴィットリオ・エマヌエール2世記念堂

 観光の最初のステップは、ヴェネツィア広場である。その前に堂々とそびえ立っているヴィットリオ・エマヌエール2世記念堂の中を上っていくことにする。今回の旅行では、何度も建物に上ることになる。上る都度見える景色が美しいからである。

ヴィットリオ・エマヌエール2世記念堂
ヴィットリオ・エマヌエール2世記念堂

 中を上っていく。壁谷天井の絵も美しい。旅行をしているうちに、宗教画はだんだん飽きてくるのだが、まだ最初なのでかなり新鮮である。上りきったところに・・・、エレベータがあった。さらに上までいけるのである。料金は1人7ユーロである。さらに階段で上れと言われると少しうんざりなのだが、エレベータで上れるということで、喜んで上ることにする。ここからの眺めは、すばらしい。フォロ・ロマーノも全貌が一目で見える。下からでは見上げるしかなかった記念堂の上にある像も近くで見られるのである。ここはおすすめである。
 展望台とかでよく見かける据え付けの双眼鏡もあった。無料で見ることができるので、少しのぞいてみたら、かなり倍率が高い。フォロ・ロマーノを観光している人がある程度見分けられるほどである。逆に言えば、倍率が高すぎて、景色を一望するのはむつかしい。
 この上ったところに、軽食ができるところがあった。一見、エアコンがきいて快適そうなところだったので入ってみたが、エアコンはきいていない。

ヴィットリオ・エマヌエール2世記念堂の上に上るエレベータ
ヴィットリオ・エマヌエール2世記念堂の上に上るエレベータ

堂の上にある像がこんなに間近に見える
堂の上にある像がこんなに間近に見える

見えている景色がなんであるかの説明の看板
見えている景色がなんであるかの説明の看板

3.2.5 フォロ・ロマーノ

 次はフォロ・ロマーノへ向かう。ローマの日差しがどんどん暑くなってきている。途中で、ミネラルウォーターの凍らせてあるペットボトルを購入する。500mlのボトルが1個2.5ユーロなり。水が高いというのは本当だ。
 途中で、変わったパフォーマンスを見る。ターバンを巻いた人が棒1本で浮いているパフォーマンスである。後で何度も見ることになるが、何度見ても不思議なパフォーマンスである。

不思議なパフォーマンス
不思議なパフォーマンス

 フォロ・ロマーノに入る入り口は行列ができている。我々はローマ・パスを事前に購入していたのでローマ・パス専用入り口からこの行列をショートカットして入ることができた。このローマ・パスだが、基本は
 ・3日間有効。
 ・最初の2つの美術館・博物館が無料。その後は、割引。
 ・市内の交通機関が無料。
というものだが、我々が購入した時点(2013年8月10日)で34ユーロもするので、金額的にお得かどうかはむつかしい。このローマ・パスの価格は、ネット情報、ガイドブックなどの情報の時期によってばらつきがある、たとえば、あるブログの記事では20ユーロになっている。昔は20ユーロだったんだ!20ユーロなら金銭的にもペイするだろうが、34ユーロとなるとどうなんだろう。でも、8月の炎天下で行列をショートカットするという、これだけのためでも、購入する価値はあった。
 入り口を少し進んだところに水道があった。みんな並んで、ペットボトルに水を入れている。試しに、と飲んでみたらおいしい。この時以降、ローマでは、水道があれば水を入れるという習慣が身について、ミネラルウォーターを買うことはなかった。
 中は・・・、広い!暑い中、歩くのはつらかった。ガイドブックを持っていくのを忘れたので、いろいろと見忘れたものがあるとは思うが、巨大な遺跡を目の当たりにできただけで満足である。

こんな感じの光景があちこちで見れるフォロ・ロマーノ
こんな感じの光景があちこちで見られるフォロ・ロマーノ

 フォロ・ロマーノの後は、コロッセオだ、ということで、事前に調べていたフォロ・ロマーノからコロッセオへの出口にいったのだが・・・。なんとその出口は閉鎖されていたのだ。こんな暑いところで、出口をさがして右往左往するわけにはいかない。でも、周りはみんな旅行客とおぼしき人々ばかりで、出口を聞いても誰もわからないだろう。少しうろうろして、やっと出口への地図を見つけ、コロッセオへと向かう。

出口までの経路を示す地図
出口までの経路を示す地図

3.2.6 コロッセオ

フォロ・ロマーノからコロッセオへ向かう途中、コロッセオの前でウェディングドレス姿の撮影をしている光景に出くわした。暑いのにご苦労様なことである。

コロッセオ前でのウェディングドレス姿の撮影風景
コロッセオ前でのウェディングドレス姿の撮影風景

 コロッセオの入り口も行列ができていたが、ローマ・パスを使って、行列をショートカットできた。コロッセオは、今回の旅行で是非とも行きたかった場所である。以前、何かのTV番組で見た時には、下の階層までは入れていたようだが、我々が行ったときは入れなかった。また、一番上の階層への階段にもロープがかかっていて、上ることはできなかった。どこの入れるのかは、その時の補修工事とかの関係があるのだろう。
 コロッセオの中に本屋があって、日本語のガイドブックもそれなりに置いてある。ローマの現在の写真と、それに重ねて過去にはどんな姿だったかという絵が見られる本が売られていて、それを購入した。

コロッセオの下層部
この下のところに入れると思っていたが入れなかった

コロッセオの踊り場のような場所
踊り場のような部分も入れなかった

ローマ帝国の日常生活という本の表紙
コロッセオで売っていた本(13.9ユーロ)

3.2.7 サン・クレメンテ教会

 ヴィットリオ・エマヌエール2世記念堂、フォロ・ロマーノ、コロッセオと大物を3箇所回ったので、これで打ち止めにしてもよかったのだが、せっかくなので、もう一頑張りして、サン・クレメンテ教会へ寄る。ここは、古い神殿の上に建てられた教会で、その地下の神殿後まで見ることができる。
 5ユーロの入場料を払って、階段を下りていくと、地下1階は4世紀の教会跡を見ることができる。キリスト教が弾圧されていた時代の教会後のようである。
 さらに地下2階へ下りることができる。ここは、さらに古い教会跡で、ネロの時代の大火の焦げ跡が残っているといわれている。かなりかび臭いにおいがする。この日の夕方から夜になるまで鼻水に悩まされることになるが、ここの空気を吸ったせいではないjかと疑っている。
 さらに地下3階へ降りるとミトラ教の神殿になる。この階では、さきほどのかび臭いにおいはなかった。
 地下へ降りるにつれ、過去の建物跡が見られるということで、不思議な体験のできる場所であった。

3.2.8 ホテルの部屋へチェックインし小休止

 初日からいきなりローマを堪能して後で、ホテルへ戻り、部屋にチェックインする。ホテルからウエルカムドリンクの券をもらっていたので、ホテルのレストラン・バーでしばし小休止である。

3.2.9 最後にオペラ鑑賞

 イタリアへ行くならオペラ鑑賞をしたい、というのが妻の希望であった。でも、8月というのは、メジャーなオペラは上演していない。そこで妻が見つけてきたのがSalone Margheritaだ。トラビアータが上演されるということで鑑賞に行くことにした。会場はかなり狭い。が、それなりに地元で人気のようで、7割程度の入場者がいた。ここの仕組みでおもしろいのは、第一幕が終わった時点で、無料でパスタを食べられることである。皿に入れたパスタを各自もらってきて食べるのである。味はまあまあであった。
 ローマに来ていきなり暑い中フルで動いたのと、イタリア語なので言葉がわからないことで、第3幕でギブアップ。途中で切り上げてホテルへ帰り、熟睡。

Salone Margheritaの様子
Salone Margheritaの様子