さえない中年夫婦が、慣れない海外で右往左往した海外旅行記。
2.2 服装をどうするかでも書いたように、今は寒い冬である。目的地は、30℃近い温度のカンボジアだ。予定通り、ダウンジャケットを着て、電車で成田空港へ移動。成田空港で、ダウンジャケットを脱ぎ、マフラーとともにスーツケースへ収納する。それから、チェックインである。
現地通貨は、ドルでOKということであったので、空港で円をドルに交換。空港の免税店で家内が買い物をした後で、掲示板で搭乗口の再確認をしたら、何と10:50発予定のプノンペン行きが12:50に変更である。今回の日程では、プノンペン空港で国内線に乗り換えるため、一旦、入国審査をして、荷物を受け取り、再び国内線でチェックインする必要がある。乗り継ぎ時間は、1時間程度で可能らしい。当初の予定では、3時間以上の時間があり楽勝だったはずなのだが、結構、ギリギリになってしまった。少し心配になる。旅行会社の担当者からも配して電話してきてくれた。とはいっても、しかたない。とりあえず、ラウンジで休憩することにした。
フライトが2時間の遅延
機材は、B787。私の経験では、B787は機材トラブルで遅延することが結構ある。本当に、2時間の遅延で済むのだろうか、と心配していたら、案の定、再度遅延した。
結局、約2時間半遅れで出発。乗り換えを考えるとギリギリの時間である。
飛行機の座席は、787なので、エコノミークラスは、基本は3-3-3の配列である。カンボジア路線は、プレミアムエコノミーの設定がない。旅行会社の方で、事前に後ろの方に少しだけある2席並びのシートを予約してくれていた。ところが、後ろの方というのは、乗り継ぎ時間が少ない場合は、非常に不安だ。飛行機に乗る時に、CAさんに事情を説明して、降りる時には、前の方に席を移動させてくれることになった。このCAさんは、きっちりと仕事をしてくれて、おかげで降りる時には、エコノミー席の前の方で降りることができ、入国審査には、ほとんど並ばずに入国でき、乗り継ぎもうまくいった。ANAのフライト運用には不満だが、CAさんの対応は満足である。
入国審査後、後ろを振り返ると、かなりの行列ができていたので、前の方に移動させてもらえてよかった。
時間がないということで、少しあせっているが、入国審査が簡単に終わった。荷物の受け取りも、ANAの上級会員なのでプライオリティーで、早く出てきた。さて、これから国内線へ移動だ。当初の予定では、空港にある吉野家で牛丼を食べてみたいと思っていた。日本の味とどう違うか興味があったからだ。でも、時間がせっているので、そんな余裕はない。
国内線のチェックインカウンターは、既に行列ができていた。そんなに並んでいないのだが、空港職員の処理が本当に遅く、なかなか列が進まない。少しイライラしただ、これがカンボジア時間なのだろうと思って我慢する。
プノンペン空港で入れなかった吉野屋
乗り継ぎ便のカウンター
搭乗口は上の階
チェックインが終わって、吉野家へ行くくらいの時間の余裕はあったのだが、疲れていたので、そのままセキュリティを通過。
アンコール航空は、スターアライアンスではないので、ラウンジへ行く資格はない。そのまま、待合室へ。
何かさみしい待合室である。搭乗口は2箇所だけ。軽食コーナーと売店があった。この売店で、私の帽子を買う。暑いだろうから、帽子は必須だろうから、カンボジアで調達する予定だったのだ。
急いで乗り継いだにもかかわらず、結局、出発は遅れる。そんなものだろう。飛行機は、ATR−72というプロペラ機である。機体本体から、階段が降りてきて、それを使って入る。プロペラ機は何度か乗ったことがあるが、全てタラップで乗っていた。こんな方法で搭乗するのは、初めてである。
機内は、結構、プロペラの音がする。機内サービスは一切ない。まあ、1時間程度のフライトなので、問題ない。
軽食コーナー
売店(ここで帽子を買った)
搭乗口
飛行機の搭乗階段
シュムリアップ空港に無事到着。
さて、ここからが、今回のツアーの最大の危機であった。フライト遅延にもかかわらず、無事予定通り、シュムリアップ空港に着いたのに、出迎えの人がいないのである。降りてきた人たちは、30分ほどすると、周りに誰もいなくなる。緊急用に、ということで、現地の24時間対応の電話番号に電話するのだが、つながらないのである。
ちょっと途方にくれたが、どうしようもない。最悪、タクシーを手配して、ホテルへ行くしかないか、と思っていた。この空港は、ほとんど便がないらしく、我々が到着した便以降、全くフライトがない。つまり、到着後、30分経過した時点で、空港にいたのは、我々だけだったのである。外の照明はついているが、空港の中の照明は暗くなる。空港の職員が、一体、何でこんなところに2人だけでいるのだろうと不審に思って、来てくれるが、ツアー会社と連絡がつかないので、職員に行ってもしかたない。
何度か、電話をかける。日本の営業は終わっているので、日本にかけてもつながらない。現地のSTワールドの事務所にかけても、これも営業が終わっている時間なのでつながらない。STワールドは、現地にも営業所があるので安心というのも、ツアー選択の理由だったのだが、役に立たない。
結局、1時間の間、何度も、24時間対応の電話番号にかけ続けて、やっとつながった。なぜ、それまでつまがらなかったのか、よくわからない。迎えの人が、なぜか国際線の方で待っていたのだという。ベトナム経由でシュムリアップ入りするというのが、ツアーでは多いので、間違ってしまったのだろう。
やっと、ホテルへ行くことができる。ここで、迎えに来てくれた人と運転手さんが、今回のツアーでずっと世話をしてくれるガイドさんと運転手さんであった。ツアー客は我々だけだったので、専属ガイドのようなものである。
旅のスタートは、フライトの遅延、空港での出迎えの遅延ということで、トラブル続きであった。
それにしても、暗い空港というのは、本当に心細い。
誰もいないシュムリアップ空港の国内線
時間が遅くなったにせよ、ホテルにチェックインできて一安心である。今回ほど、ホテルにチェックインして、ゆっくりとできることのありがたさを感じたことはない。
ホテルの部屋は、まあまあの広さである。1日に1本の通常サイズのミネラルウォーターは無料。2lサイズのエビアンは有料らしい。このあたり、ちょっと古い商売をしている感じがある。
どちらにせよ、疲れ切って、ホテルでぐったりであった。
ホテルの部屋
ホテルのバスルーム
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