さえない中年夫婦が、慣れない海外で右往左往した海外旅行記。
ホテルの朝食は、バイキングである。6:30から開いているということなので、6:50ごろにレストランに行く。朝の早い日本人が既に朝食を食べていた。このホテルのバイキングは、いくつか、食材を出すコーナーがあって、いろんな種類の食事を楽しめるようになっている。日本食もあって、そこには箸が置いてあるので、日本人は箸を使っていた。私も、当然、箸である。
食事の終わりに、コーヒーのおかわを持ってきてくれたので、水が欲しいというと、水を持ってきてくれた。そのウエイトレスは、Waterは日本語で何というのか、と聞いてきた。Mizuと教えてあげると何度か練習して覚えていた。仕事熱心である。
食材コーナー(こういうのが複数ある)
日本人お得意の朝早い朝食を終えて、観光に出発である。まだ時間が早いので、行っても開いている場所は、24時間営業のショッピングセンター、朝食の食堂、寺院くらいである。その中で、24時間営業のショッピングセンターと寺院を目指して、まずは、インド人街へ行くことにする。
インド人街は、地下鉄の駅から降りてすぐである。泊まっているホテルも、駅から5分くらいの場所だ。だが、このホテルから地下鉄駅までの経路で少し迷った。通常、ホテルの正面玄関が駅に近いというのが日本人の感覚だ。
レストランの横をすり抜けて行く必要があるのだ。質問が多いのか、ホテルの部屋にあった宿泊者向けの情報パンフレットにホテルの1Fの地図が載っていた。日本人の質問が多いのか、セブンイレブンの場所も同じ方向にある、と書いてあった。
そのわかりにくい裏口を通った後も、ちょっとわかりにくいところに駅があって、これも少し迷った。せっかく地図を置いているなら、駅までの経路も掲載してくれるとよかったのに。
ただ、いったん駅に着くと乗車は簡単だ。昨夜、セブンイレブンで買ったEZ-linkカードがあるので、自動改札で自動精算である。
ホテルの部屋にあった地図 (赤で囲んだ方向が地下鉄駅)
ホテルの近くのプロムナード駅
まずは、インド人街である。地下鉄のリトルインディア駅で下車。リトルインディア駅は、漢字で小印度と書いてあった。なるほど、漢字はわかりやすい。
駅を降りると、いきなり道路が飾り付けられている。翌週が、ディーパバリ(Deepavali)というお祭りで、どうやらそのための飾り付けのようである。旅行の予約をした時は、お祭りのことを知らずに予約した。予約してから、旅行の翌週がお祭りだと知って、少し残念に思った。だが、実際には、お祭りの前の週でも大変な賑わいで、正直な話、お祭りにぶつかっていたら、私のようなぼんやりした中高年には、前の週でよかった。
目指すのは、24時間営業のショッピングセンターのムスタファ・センター 。簡単に見つかると思っていたら、リトルインディア駅からは距離があって、かつ、意外に入り口が見つかりにくかった。日本のショッピングセンターのイメージとはかなり異なる雰囲気の建物なのである。
まずは、地下1Fへ妻の服を物色しに行く。思ったより値段が高いようで、ここで買うのはあきらめた。驚いたのは、男性服の売り場で、横縞のポロシャツが、いろんな種類置いてあったことである。インド人男性といえば、この横縞のポロシャツを着ているイメージがあるが、日本では絶対に見かけないだけの種類があり、インド人男性に人気の柄であることがよくわかった。
次に2Fの食材コーナーへ。本当に多くの種類の食材がある。ただ、スーパーなので、量が多く、お土産で買うには量が多すぎで、カニチリのスープと、バクテーのスープとを買っただけで、出て行った。
通りにずっとこういう飾りが続く
ショッピングは早々に切り上げて、次に向かったのは、スリ・スリニヴァサ・ペルマル寺院である。ヒンズー教の寺院など、日本で見ることはできないし、インドへ行く予定もないので、是非とも見ておきたかった場所だ。外から見る塔門だけでも見に来たかいがあったと思わされる。寺院の中に入るには、靴をぬぐ必要がある。これは、今回の旅行で、ヒンズー寺院とイスラム寺院とに行ったが、共通の礼儀のようである。
中は、当然インド人でいっぱいである。信者の人の邪魔にならないよう、そっと写真を撮って、出てきた。
寺院入り口
熱心に祈る人たち
次に向かったのが、イスラム寺院のモスクのマスジッド・アブドゥル・ガフール 。先ほどのヒンズー寺院と異なり、インド人街にあるイスラム寺院なので、人通りがない。どこから入ればいいかわからなかったが、VISITORという標識を目当てに行くと、VISITORセンターがあって、そこの人にイスラム教の入門冊子と、ミネラルウォーターをもらった。申し訳ないが、イスラム教そのものは興味がないので、冊子は読むことがなかったが、ミネラルウォーターはありがたかった。我々とは別に、欧米人夫婦がいて、この夫婦はさかんに質問していた。
こぢんまりした寺院だが、きれいな建物である。
モスクの入り口 左側の建物の一角がビジター
この時点で、そろそろ正午である。既にいろいろな商店も開いているだろうから、次に、リトルインディア・アーケードへ向かう。今回の旅行で最も印象に残った場所である。お祭りの前の週ということもあるのかもしれないが、本当に大勢のインド人でごった返していた。「ごった返す」というのは、こういう時に使うのだと思わせるような賑わいである。アーケードの中は、人が多すぎて、息苦しいくらいであった。
壁をおおいつくす商品
天井もおおいつくす商品
インド人街の観光でお腹もすいたので、昼食である。これが、今回の旅行で最大の右往左往であった。
行きたい店にいくまでに、大変な道のりだったのである。行った店は、ゲイラン・ロロン29。フライドホッケンミーの店である。NHKのTV番組2度目のシンガポールでおいしそうに食べていたのが印象に残ったのである。参考にしていたシンガポール ランキング&マル得テクニック! 2017 (地球の歩き方ムック)でも紹介されている店ということで、ここに行くしかないだろう、と向かったのである。観光地から離れた場所だが、終わってから歩けば、カトン地区へ寄ることができそうだったので、遠いが行ってみることにしたのだ。
地下鉄に乗る前に、インド人街でかなり歩いたので、少し休憩ということで、地下鉄駅の喫茶店に入る。シンガポールのローカルコーヒーであるコピーにトライ。味は、というと、ネスカフェに思いっきり砂糖を入れているという味であった。次は頼まないだろう。まあ、疲れは少しとれたのでよしとしよう。
喫茶店の看板
コピー
地下鉄ケンバンガン駅(このあたりは地上に出ているが)で降りて、歩19分。暑い中、歩くのはつらいので、タクシーに乗ることにした。これが最大の失敗であった。店の名前が明記された地図を見せたのだが、タクシーの運転手が老眼で、はっきり確認せずに走りだしたのだ。実はこの沿線には、店の名前と同じゲイラン・ロロンという町があって、その29丁目へ連れて行かれたのである。途中で、間違っていることに気付いたが、この運転手ではまた間違うだろうということで、一旦降りて、もっと若い運転手を見つけることにした。次に来たタクシーに乗って、もう一度、その地図を見せるが、ゲイラン・ロロンはここだ、という。通りの名前でなく、店の名前であることを告げ、住所の明記されているWebのプリントアウトを見せたら、カーナビに入れて、そこへ連れて行ってくれた。
TVや本で紹介されているので、有名な店だと思ってはいけない。タクシーの運転手は、店の場所まで知っているはずがないからだ。あとは、カーナビを装備した運転手を見つけることである。ロスタイムも含めて、タクシーなのに30分以上かかって、店の近くに到着。カーナビで連れて行ってくれたので、どこが店かはそこから探すのである。この店は、単独の店ではなく、4店舗ほど入ってる小さなホーカーズのような場所にあるので、場所がわかりにくいのである。10分近くうろうろしてやっと見つけた。見つけた時には、本当にうれしかった。
もう午後2時を過ぎていたので、7割程度の客しかおらず、あっさりと注文できる。注文してから、作るのに時間がかかるようで、ここで10分以上待つ。味は、というと、ここまで大変な思いをしてやってきたかいがあった味である。翌日、違うところでフライドホッケンミーを食べるのだが、ここまでの味はなかった。来てよかったが、タクシーの運転手もしっかり地図を見てほしいものだ。
通りに面したところ(店の名前はない)
ゲイラン・ロロン29と隣の店
苦難の後、食べることのできたフライドホッケンミー
店に張り出されていた(日本語の記事もある)
昼食で少し体力が回復したので、カトンまで歩いていくことにする。ここは、建物のきれいなところであった。
この後、地下鉄までタクシーで行くことにする。飲食店と異なり、駅なので、いくらなんでも、道を間違うはずはない、とたかをくくっていたのだが・・・。そんな簡単な場所でも右往左往するはめになる。ここからは、来た時の駅と違うユーノス駅が近いということで、そこまでタクシーを走らせたのだが、なんと駅周辺が工事中で、運転手が、駅最寄りの場所がわからず、かなり離れたところで降りされたのだ。駅ビルは見えるのだが、工事中の場所を通って駅まで、約10分弱歩くという大変な目にあってしまった。
昼食場所へたどり着くのにかなりの時間を使ってしまったが、アラブストリートのサルタン・モスクが16:00までなので、ギリギリ間に合いそうなので行くことにする。最寄り駅は全く普通の場所なのだが、少し歩くと、モスクが出てくる。時間に間に合ったので、入ることができた。
モスクの中
モスクの周囲がアラブ・ストリートである。妻は、何か服を買いたいと言っていたのだが、好みのものがなかったようなので断念。器を購入していた。
インド人街ほど広くはなく、コンパクトである。ちょっと外れると、若者たちが集まっている場所があったりする。
お土産店
妻はここで器を購入
真ん中にあるのがモスク
若者が多く集まっていた
ここで、一旦ホテルに戻る。ナイトサファリの現地ツアーがあるからだ。
ホテルに戻って、少し時間があったので、広いバスルームで少し足湯をして、疲れをいやす。
シンガポール名物の1つであるナイトサファリである。ここへどうやって行くかは、かなり検討した。日本語ツアーは、たいてい、16:00台にホテル出発なのである。これは、早すぎる。かと言って、ツアーでなく、自分たちで行くと、週末は大混雑で、トラムの大行列があるようだ。
かなり迷った結果、英語のツアーに参加することにした。Viatorという会社のツアーである。このツアー案内文は以下の通り。
ナイト サファリ トラムに乗車するまでに、40分以上かかる場合があります。 行列をスキップできるパスがあれば、すぐに夜行性動物の世界への旅が始まります。
夜間サファリの慎重に設計された生息地を訪れ、うっすらと照らされたジャングルの遊歩道をガイドとともに歩きながら、ライオン、ヒョウなどを間近で観察します。
この4時間の家族連れ歓迎ツアーには、動物ショーとスリリングなパフォーマンスに加えて、ウル ウル サファリ レストランでのビュッフェ ディナーが含まれます。
シンガポールの主要ホテルからの往復送迎サービスをご利用下さい。
ホテルに送迎してくれて、並ばずにトラムに乗れ、遊歩道も行けて、ディナー付き、ということで、英語ツアーにもかかわらず申し込んだ。結果的には、この案内は誇大広告であったことがわかるのだが。
ツアーの送迎は、18:00にホテルのロビー。定刻通りに迎えに来てくれた。小さなマイクロバスで、このあと、サンズへよって、夫婦3組をピックアップ。たったこれだけの人数でツアーなのか、と思ったらそうではなく、一旦、チャイナタウンの広場でマイクロバスを下ろされる。そこで、組み分けされて、組ごとに大きなバスに乗り換えるのである。つまり、ホテルのピックアップはマイクロバスで、サファリへは大型バスでという仕組みであった。バスツアー人数は、約40人。日本人は我々夫婦だけだ。まあ、日本語ツアーがあるというのに、わざわざ英語ツアーに参加する日本人がいるとは思えないので、妥当なところか。バスの中では、2〜3分すると、初対面の人たちが話をし出した。どうやらアメリカ人とオーストラリア人がほとんどだったようで、いきなり会話を始められるのはびっくりだ。日本人には真似できない。
1時間程度で、サファリに到着。そこで、いきなり食事であった。バスの中の説明では、おいしいビュッフェということだったが、実際には、品切れの食材も多く、あまりおいしくなかった。とはいえ、食事には、もともと期待していなかったので、これは我慢だ。
次にトラムに乗る。これは、案内文とおり、かなりの行列をスキップできた。トラムに乗ったところで写真を撮りにくる。安ければ、後で買おうと、一応案内のパンフレットを受け取って、出発。
英語のトラムなのだが、所詮は動物園なので、英語でも問題なし。それよりも、ナイトサファリなので、夜で、あまり動物が見えない。フラッシュ撮影は禁止なので、写真もうまく撮れない。たぶん、コンデジでは撮影は無理だ。
トラムを降りてから、次は、遊歩道をガイドが案内してくれるのかと思ったら、ここから遊歩道だから、自分たちで行けという、しかも時間がないから、このあたりで引き返してくるように、と指定してた場所は、ライオンのところまでは行きつかないところだった。案内文を再度引用すると、「遊歩道をガイドとともに歩きながら、ライオン、ヒョウなどを間近で観察します。」。これは、大?で、「遊歩道をガイドなしで自分たちだけで歩きながら、ライオン、ヒョウなどを間近で観察できるところへは行けません。」だった。トラムよりは、どちらかというと遊歩道を楽しみにしていたので、本当に残念だった。遊歩道を終えて帰ってくると、トラムに並ぶ列は、なくなっていた。
たぶん、サファリにはツアーを使わずに、まず遊歩道を歩き、そのあとで、適当に食事をし、最後にトラムに乗るのが正解なのだろう。
遊歩道から戻ってきて、さてトラムに乗った時に撮られた写真を買いに行こうかと思って、もらったパンフレットを見ると、どこで受け取るのかの場所が記載されていない。場所がなければ、買いに行けない。本当に商売する気があるのだろうか?
時間通り、バスに戻る。帰りは渋滞がなくスイスイ動くので、早く帰れると思ったら、途中でバスを下ろされ、マイクロバスに乗り換えさせられる。感覚的には、あと10分も行けば、ホテルという場所である。マイクロバスで、2つのホテルによって、我々の宿泊先のホテルに着いたのが30分後。なんか、理不尽なツアーであった。
ツアーバス
かろうじて撮れた写真
ツアーの帰りに撮影した入り口
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