さえない中年夫婦が、慣れない海外で右往左往した海外旅行記。
8月のローマは本当に暑い。日本も暑いが、ローマも暑い。日本にいたら絶対にエアコンのかかっている部屋から一歩も外へ出なかったであろう気候の中、旅行なのでせっせと歩いていたら、少しばててきた。ということで、午前中は少し休憩の時間にして、午後からのバチカン美術館という大物に備えた。
地下鉄でオッタヴィアーノ駅へ。ホテルから地下鉄駅が近いのは観光にとってかなり重要な要素である。駅で降りてからバチカン美術館へ向かう途中で長蛇の列にであう。バチカン美術館への待ち行列である。フォロ・ロマーノの待ち行列もすごいと思ったが、この待ち行列はその比ではない。まさに文字通り長蛇の列である。行列の後方でガイドツアーの客引きと思われる男が「この行列は2時間かかる。ガイドツアーに申し込めば、待ち時間0だ」と盛んに宣伝していた。
我々は、予約サイトで予約していたので、長蛇の列の横を、Online予約者専用のレーン、入り口、チケット引き替え口と一気に通り抜けることができた。予約は12:30だったのだが、窓口には12:00すぎに到着。そのままチケットに交換してくれた。予約料金が1人4ユーロかかるが、この行列をスキップできるのであれば高くはない。何度も言っているが、8月のローマは暑い。待ち行列の長さと進み方から推測するに、客引きの言うように2時間待つかはわからないが、少なくとも1時間は待ちそうである。あの暑い中、1時間も待つのは大変だ。
入場までは予約していたおかげですいすいであった。しかし、入場してしまえば、あの大行列の人々も入っているので、当然中は大混雑である。
美術館は広い、本当に広い。しかも、人は多い。必然的に途中で疲れてくる。あちらこちらで工事をしているので、ガイドブック通りに美術品がその場所にない場合もある。また貸し出し中のものもあったりである。
システィーナ礼拝堂などは、礼拝堂とはとても思えない人ごみである。カメラ撮影禁止マークが出ているのに、撮影している人間が多くいた。礼拝堂は脱帽とあるのに、帽子をかぶったままの人も多い。警備員が静かにと言っているのに、そんなことはおかまいなしである。私のように、信者ではなくても、ここは美術館ではなく、礼拝堂なのだから、もう少し敬意を払うべきだと思う。美術館は、見せるための設備だが、礼拝堂は本来礼拝する場所で中を見せてもらっているのである。
美術館内のあちらこちらに、お土産屋さんがある。基本的に、どのショップも同じような品ぞろえである。メインは本である。それにTシャツ。キーホルダーとクリアファイルという日本では定番の土産物はない。特にクリアファイルは、バチカン美術館に限らず、どの場所でも見つけることができなかった。日本の美術館で特別展をやっていたら、いつもクリアファイルを買っていたクリアファイル好きとしては残念である。
人を見ているのか美術品を見ているのか、ということで、疲れてしまった。昼食をとっていなかったので、バチカン美術館の地下で食事をすることにする。さすがにイタリア人は昼食が遅い。そろそろ15:00というのに人がいっぱいだ。カフェテリアへ行くが、席が満席。ずうずうしい連中ばかりで、日本人の常識では席を確保できない。日本なら、妻の中年女パワーが発揮でき10分もあれば席が確保できるのだが、もイタリアでは全く効果がない。カフェテリアはあきらめて、ピザコーナーへ行く。
ピザコーナーは、カフェテリアと比べて、席は空いていたが、ピザの注文のところは混んでいた。ピザの枚数とドリンクを注文し、その枚数分のピザを係の人に現物を指さして買うという仕組みである。焼きたてのピザもあったが、冷えてしまっていたものもあり、はっきり言っておいしくなかった。
あまりおいしくないピザを食べ、動けるようになったところで、カルフールへばらまき菓子を買いに行くことにする。家族4人で来ていて、それぞれにばらまき菓子を配るべき場所があるため大量に購入しなければならない。なぜ、カルフールかというと、ローマ ばらまきみやげはスーパーで購入というブログ記事を読んだからだ。この記事のでは駅からエレベータまでの距離感がわからないが、10分ほど歩くことになる。思ったより時間がかかるところである。
でも、確かにお菓子類の品ぞろえは多い。ここ以外にもスーパーへ寄ったが、自分で食べるならともかく、みやげとして使える菓子類がここほど多いところはなかった。なんだかんだで100ユーロ近く買い込んだ。
その後で、ホテル近くの三越へ寄る。日本人ももちろん多く、日本語が通用する。また、いったいどこから出てきたのかと思うようなアジア系の人達でもいっぱいである。
日本の三越のように、三越のビルがあるのかと思ったらそんなことはなく、どうやらビルの1Fだけで営業しているようである。日本の三越のようなところがあるのだと思っていたので、きっと喫茶店もあって、おいしいケーキでも食べられると思っていたが当てが外れた。
カルフールも、地下の1フロアだけであったし、どうも、何階にもわたるような大型店舗はあまりないようだ。
暑さだけでなく、イタリア料理の大量さにも疲れてしまって、ホテルの近くのスーパーで食材を買って、ホテルで適当に食べることにする。サンドイッチ、サラダで済ませる。粗末な夕食だが、分量的にはこれで十分であった。
3.3 ローマ2日目(バチカン-ローマ法王、サンタンジェロ城) | 目次へ | 3.5 ローマからピサへ |